不登校の解決のための7つのポイント

わたしたちがはじめてご相談をお受けするとき、「学校に行けないなんて“普通じゃない”」という思いから、とまどわれたり、ご自身を責めていらっしゃる保護者の方のお声をよく伺います。しかし、「どうしたら学校に行けるようになるか」ということばかりを考え、親子の間で対立するようになると、かえって不登校が長引くことがあります。

 すぐに学校に戻そうとしない
 いまの子どもの気持ちを想像する
 無理に悩みを聞き出そうとしない
 一歩踏み出しても下手に褒めない
 いつか何とかなると思わない
 第三者のかかわりを取り入れる
 より多くの人とのかかわりを作る

不登校は誰にでも起こりうる

不登校は「特定の子どもに特有の問題があることによって起こることではなく、「誰にでも起こりうる」と既に平成4年に文科省も不登校の捉え方を変えました。「不登校のきっかけ」を文科省の調査*1から見てみると、学校での人間関係のつまずき、勉強でのつまずき、生活リズムの乱れ、家庭での人間関係の問題など、誰もが抱え得る悩みが主な不登校のきっかけになっていることが報告されています。

ひとつひとつを取ってみれば、特別な悩みではないのかもしれませんが、これらのことがいくつも重なってくるとどうでしょうか。自分から助けを求められなかったり、周囲の人も気がつけなかったりしたときには、どうすることもできない状況に陥ることも十分考えられます。そして、これ以上傷つかないために、学校から距離を取らざるを得なくなるのが不登校のはじまりです。それだけ苦しかったのだと、お子さんの気持ちに理解を示すことが第一に必要であり、親御さんが、不登校についての見方を変えられたときに、お子さんにも変化が生まれてきます。

不登校のきっかけ
問4-1 あなたが学校をやすみはじめたきっかけは何ですか。思いあたるものすべてに○をつけてください。

*1不登校に関する実態調査 平成18 年度不登校生徒に関する追跡調査報告書 不登校生徒に関する追跡調査研究会 平成26 年7月

不登校を長引かせないためには

お子さんの気持ちに理解を示すことは不登校を解決するための第一歩ですが、そのまま様子を見て良いわけではありません。不登校という状態が継続すること自体は、本人の進路や社会的自立のために望ましいことではないため、気持ちに寄り添うことから始め、「進路の問題」に発展させないように具体的な取り組みを始めていくことが重要なのです。

なぜなら、不登校のきっかけになった「人間関係のつまずき」や「学習のつまずき」が未解決のまま残ると、「人とかかわるのが怖い」「勉強が遅れているから学校に行けない」というように、そのまま不登校を継続する理由へと繋がってしまうからです。

不登校の状態を「当たり前のことができない」と捉えて指導的になってしまうと、お子さんを理解し導く土台であるはずの親子のコミュニケーションがなくなって行く恐れがあります。いまの状態は、成長の途中でつまずいているのだと捉え、お子さんと同じ目線に立ち、ここからつまずきを一緒に乗り越えて行けば良いのだと考え、できることからひとつずつ始めてみてください。
この「7つのポイント」には、お子さんを成長させるためのヒントをたくさん盛り込んでいます。困ったときにはこのポイントを思い出し、お子さんを導いていきましょう。

1. すぐに学校に戻そうとしない

ポイント1 すぐに学校に戻そうとしない 学校に行かせたい お子さんの不登校が始まると、「何とかして学校に行かせなければ!」という保護者の方の焦りが強くなっても無理もないこと...

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2. いまの子どもの気持ちを想像する

ポイントその2 いまの子どもの気持ちを想像する 子どもがこれまで訴えてきたことを考えてみる こうあるべきという先入観の枠をいったん外して、お子さんの訴えてきたことを中立的に...

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3. 無理に悩みを聞き出そうとしない

ポイント3 無理に悩みを聞き出そうとしない 本人と家族にとって最もつらい時期 不登校が始まって間もないころ、――期間にして1~2か月のうちは、子ども本人の気持ちの落ち込みや...

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4. 一歩踏み出しても下手に褒めない

ポイント4 一歩踏み出しても下手に褒めない 学校に行ってみようと思うけど、実際不安… お子さんの気持ちに理解を示し、受容的にかかわることができてくると、お子さんは自分の感情...

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5. いつか何とかなると思わない

ポイント5 いつか何とかなると思わない 待っていても「いつか」は来ない 家族にとって最もつらい時期である進行期を抜けると、お子さんも家で好きなことをして過ごせるようになり、...

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6. 第三者のかかわりを取り入れる

ポイント6 第三者のかかわりを取り入れる 親だけではなく、第三者を入れる 家庭の中で安定して過ごせるようになった頃、何か家の中でできることをやらせほうが良いかもしれないと考...

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7. より多くの人とのかかわりを作る

ポイント7 より多くの人とのかかわりを作る 多様な人間関係の中で成長する 不登校という状態は、様々な要因により追い詰められ、学校生活から「引いた」状態になることで自分の身を...

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