母子分離不安タイプ
親から離れることや学校生活に不安や恐怖を感じやすいタイプ
特徴と留意点
- 親(母親)と離れて一人になることや、集団の中に入ることに強い不安や恐怖を感じ、行動できなくなる
- 親(母親)の愛情を渇望しているが、それが叶えられない悲しみを抱いていたり、罪悪感からうまく表現できないでいる場合がある
- 自分がうまくできないことで見捨てられることへの不安や、同世代の子たちの中で自信を持つことができないことから劣等感を抱いている場合がある
- 母親がそばにいると情緒的に安定して、一緒に登校できることもあり、同級生の前で自信を持って振る舞うこともできる
- 就学前には「登園しぶり」を経験している場合がほとんどで、小学校低学年に多いが、高学年の子にも増えてきている
親や周囲のサポート
- 辛いときには守ってもらえる、苦しいときには助けてもらえるという安心感(基本的信頼)が損なわれている可能性があるため、親子の距離を縮めて安心させることを優先する
- 甘えと見て独立心を育てようと引き離すと、却って不登校が長引く可能性があるため、母子密着・母子一体の時間を作るようにする
- 心理的に安定したらそのまま見守らず、同世代の中で自信(自己有用感)が持てるように、年齢に応じたスキルを獲得させるようにサポートする
このタイプの強みと他のタイプとの関連
- 本来的には親を慕って頼りにしているタイプなので、子どもの良さを認めて、励ます関係になると親の期待に応えようとして力を発揮する
- 感受性や共感性が高いので、動物の世話、芸術、ボランティアなど子どもの心のやさしさや繊細さを活かせることに巡り合うと自信をつける
- この状態が改善しないまま思春期に入ると、「情緒混乱・内向タイプ」「情緒混乱・外向タイプ」に変化して、過剰適応を繰り返す恐れがある