大学選びに迷っていたり、受験勉強の中で悩みが出てきた高校生に知って欲しい大学受験の心得をまとめました。

自分の気持ちを確かめる

大学進学を考えている人にとって、大人から聞く世間の評価や、ネットのうわさ話には、心をかき乱されることが多いと思います。「自分が行きたいところに行けばいい」ということはよく聞くけど、行きたい大学もやりたいこともわからない。そもそも自分には何が向いているんだろう、と自分の気持ちもよくわからないことになってしまうときもあるでしょう。

自分は将来どんな風に生きて行きたいか、自分の人生を考えて迷う時間は、大人へと成長するために避けてはならない、いま経験しなければならない時間であると思います。でも、自分の人生について真剣に考えれば考えるほど、自分の答えに自信がなくなって来てしまって、「あの人が言っていることは本当なのかな」「やっぱり自分は間違っているのかな」と本当は自分のやりたいことがわかりかけていたのに、誰かが太鼓判を押した答えの方を選びとってしまうことがあるかもしれません。雑念に惑わされず自分の気持ちを確かめ、素直に自分の気持ちに従うのは実はとても難しいことです。

すぐに自分のやりたいことが見つからないかもしれないし、見つかったと思っても途中で変わることもあるでしょう。だから、最初から間違いのない答えを探し出そうとしなくても良いのです。迷う気持ちがあるのは当たり前であり、なかなか決まらなくてもおかしいことではないということを自分に言い聞かせつつ、自分の心の中のことだけを考えるのではなく、わからないことは調べ、話を聞き、新しい情報をどんどん仕入れていく必要あります。親や周囲の人間は情報収集に協力しつつ、本人が「こうしたい」と思う、本心のままに決断ができるように、支えていくことが大切です。

大学のリストアップ

大学選びについて、重要なのは「進学」と「進路」を混同しないことです。学生、特に中高生の時には信じられないことかもしれませんが、どの大学を出たかということで、人生の幸/不幸が決まることは絶対にありません。どの大学を選ぶべきかという問題を、自分がどのように生きるべきかという問題と混同すると、答えの出ない迷宮に迷い込むことになってしまいます。大学が自分の人生を決めてくれるかのように考えるのはやめ、自分の人生を実現するためには、どの大学が適しているのだろうかと考えてみましょう。先に述べたように「進路」が先に見えてきて、「進学(先)」が後になって具体的になってくるものだと思います。リストアップするための観点を以下にまとめますので参考にしてください。

①どんな大学生活を送りたいか

大学での勉強、サークル活動や自分一人の時間、あるいはアルバイトやキャリアアップのための活動など、どんな大学生活を送りたいか具体的に想像して見ることも大学の選択基準の一つになります。

通学にかける時間も日々の生活に影響のある大事な要素なので、通学の負担があまりに大きい程遠い大学は選択肢から外れてきます。また実家から通うか、下宿するかによってもメリットもデメリットもありますが、それぞれの大学生活は違ってくるでしょう。

大学のキャンパスや周辺の環境もなんでも良いというわけではありません。大学生になってからの生活をできるだけリアルに想像しておくことで、理想に近い環境を選ぶことができます。

②どんなことを勉強したいか

大学での勉強は、具体的に職業に直結することを学ぶ学部もあれば、そうでない学部もあります。どんなことを勉強したいか決めるためには、大学の学部でどんなことを教えているか知る必要があります。大学も今は、「アドミッション・ポリシー」「カリキュラム・ポリシー」「ディプロマ・ポリシー」といって、どのような学生を求め、学生をどのように育て、どのような人材として社会に送り出すのか、大学の方針を明確に示さなければならなくなりました。

大学のホームページや受験案内にもしっかり書いてありますから、よく調べて吟味して見てください。何事も、はじめは何を見て選べば良いかわからないですが、次第に見方がわかってきて、比較検討の材料が増えてくると判断ができるようになります。心の中を見つめて何も答えが浮かばない時は、まず情報を仕入れる必要があります。

③どんな受験の方法があるか

大学受験といっても、最近はいわゆる国立の「5教科7科目」私立の「3科目」の試験が代表的な「一般入試」だけでなく、「センター試験利用入試」や「2科目入試」、ユニークな方法で選考を行う「AO入試」や「自己推薦入試」など入試方式のバリエーションが豊富になっています。どの大学のどの学部を受けるか、だけでなく、「どの方法で受けるか」までを考えていくことが、大学受験を成功させるカギになっています。

「一般入試」だけが大学に入る手段だと思っていると、せっかくのチャンスを見逃してしまうことになりかねません。「行きたいな」と思い始めた大学が「2教科」で受けることができたり、英語の資格試験の結果を活かすことができることが分かれば、希望が湧いてきませんか?「自分でもできるかも知れない」「受かるかも知れない」と思えることは何より頑張ろうと思う気持ちを支える力になります。

受験勉強について

受験勉強の方法論や、教科の学習法については、あらゆる方法が世の中に溢れていると思います。逆に今は、方法論が溢れすぎていて、自分にあっている方法が選べないという状況ではないでしょうか。これまでたくさんの受験生を見てきて、私が受験勉強の最大のコツだと思うことは、最後まで「心を折らない」ということです。

勉強を進めていってもなかなか覚えられなかったり、点数が上がらなかったりすると、「このままでは間に合わないのではないか」「自分は頭が悪いのではないか」と焦りや不安が生じてくると思います。受験勉強をやっていて、こういう焦りや不安を感じない人はまずいないといって良いほど、皆がこうした気持ちを抱えながら受験勉強を続けて行きます。だからこそ受験勉強の成果、目標の第一志望に合格できるかどうかは、そうしたネガティブな気持ちをうまく解決できるか否かによって左右されます。気持ちを強く持て!というような精神論ではなく、自分の気持ちを前向きに保つ工夫ができるかどうかで勉強の成果は大きく変わってくるとうことです。

まず、焦りや不安が強いなど、気持ちが不安定だと、勉強に大切な「集中力」と「記憶力」が著しく低下します。勉強しても覚えられない、という現象の背景に気持ちが安定していないという要因があるかも知れません。勉強の方法論はどのようなものでも構わないし、効率が悪くても構わない。大切なのは気持ちが落ち着いた状態で勉強できる時間をどれだけ持つことができるかということです。

落ち着いた状態で勉強ができるようになると、理解が進み知識が定着し、自信がつき、次第に学習効率が上がってきます。最初から効率を求めないことが大切です。心がリラックスするまでに何時間も必要な場合がありますが、うまく自分の気持ちをコントロールできるようになってくると、1日の中で時間を選ばずに勉強に取り組めたり、短い時間でも集中して取り組めるようになってきます。

自分の気持ちをコントロールしながら勉強時間を増やしていくことは、皆受験勉強の中で身につけていくスキルですから、最初からできなくて当然ですし、気持ちがコントロールできない時があってもおかしくはありません。

心の中に焦りや不安が起こってきたときの一番基本的な対処は、自分自身で焦りや不安を大きくしないということです。次に不安な気持ちになったときに、ああなったらどうしよう、こうなったらどうしようと実際には起こっていないことを想像して、余計に不安を大きくしてはいないか、自問自答してみましょう。

真剣に向き合えばこそ、焦りや不安は必ず起こってくるものですが、そういう気持ちが生じたときに「大丈夫、きっとできるはず」と自分を落ち着けるように、自分の心をケアしているか、そうでないか、自分の心の使い方に自覚的になっていくとだんだん自分自身とうまく付き合うことができるようになってきます。困ったときには相談する、辛い時には立ち止まる、だけど立ち止まり続けず、また前を向いて歩き出す。大変なこともあると思いますが、高校生から大学生に変わるための時間を噛み締めて進んでいきましょう。

文・Allight Educational Consulting 代表 平栗 将裕

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